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コンタクトレンズがまぶたの中で28年間見つからなかった理由

2026.09.21
コンタクトレンズがまぶたの中で28年間見つからなかった理由

14歳の少女がバドミントンをしていたとき、シャトルが目に当たりました。

つけていたハードコンタクトレンズが見当たりません。床にも服にもありませんでした。家族は、衝撃で外れてどこかに落ちたのだろうと考えました。

それから28年がたちました。

42歳になった彼女は、左の上まぶたが腫れて少し下がってきたため病院に行きました。MRIで、上まぶたの中に輪郭のはっきりした小さなかたまりが見つかりました。手術で取り出されたのは、袋状の組織(嚢胞)に包まれた古いハードコンタクトレンズでした。

なくしたと思っていたレンズは、ずっとまぶたの組織の中にあったのです。

レンズは目の裏に行ったのか

いいえ。

まぶたの裏を覆う結膜は、そのまま眼球の表面へと続いています。まぶたの奥にはポケットのようなひだがありますが、奥は閉じています。レンズが眼球をまわって脳のほうへ進む通り道はありません。

ソフトレンズが折れて上まぶたの裏に隠れたときも、ふつうはその結膜のポケットの中にとどまります。目の裏に行ったのではなく、まぶたの下にあって見えないだけです。

28年の症例は違っていました。けがをした瞬間、ハードレンズがまぶたの組織そのものに押しこまれたと考えられています。体はそれを異物として囲いこみ、まわりに嚢胞をつくったため、長いあいだはっきりした症状が出なかったのです。

この一つの症例を、すべての「なくしたレンズ」に当てはめてはいけません。研究者もレンズが動く様子を見たわけではありません。昔のけがと手術で見つかったものから、たどった道を推測したのです。

運動中にレンズが外れることについては、ジムの取っ手、日焼け止め、プールで取り上げました。

なくしたレンズの多くは、もっとありふれた話です

レンズが見つからないとき、考えられるのは、すでに落ちてしまった、ソフトレンズが上まぶたの裏で折れている、目の中央から白目のほうへずれている、といったことです。丸まったり乾いたりしたレンズは小さな透明のかけらのように見え、見落としやすいものです。

見えないからと目をこすると、結膜や角膜を傷つけることがあります。確かめるために2枚目のレンズを入れるのもよくありません。1枚目が折れたまま残っていれば、2枚になってしまいます。

まず手を洗い、鏡の前でゆっくり上下を見てください。レンズ装用中に使える目薬をさして何度かまばたきをすると、折れたレンズが見えるところに出てくることがあります。

痛み、強い充血、まぶしさ、かすみがあるなら、自分で探すのはやめてください。レンズが見つからないままのときや、同時に目をけがしたときは、専門家に診てもらってください。

なぜ28年もかかったのか

このレンズは、そのあいだずっと角膜の上にあったわけではありません。上まぶたのやわらかい組織の中に包みこまれていました。まばたきのたびに角膜をこする、いつもの異物感が出なかったのはそのためだと考えられます。

それでも体は、すっかり忘れていたわけではありませんでした。何十年もたってから、まぶたの腫れと下がりとして存在を知らせたのです。昔のけがとハードレンズを使っていた経歴を並べてみて、ようやく謎が解けました。

だからこそ、診察では何年も前のことまでさかのぼることがあります。目へのけが、なくなったレンズ、片方だけ腫れ続けるまぶた。関係なさそうで遠く離れた出来事が、手がかりになることがあるのです。

コンタクトレンズは目の裏には行きません。しかし、まぶたの下に隠れることはあり、ごくまれに、けがと重なって組織の中に入りこんでしまった例があります。

28年後に見つかったレンズが残したメッセージは、シンプルです。

目から消えたレンズは、推測するものではなく、確かめるものです。

この症例を正しい大きさで読む

まぶたの裏で折れたふつうのソフトレンズと、けがで組織に押しこまれたハードレンズは、同じ出来事ではありません。よくあるレンズの紛失を28年の症例で説明すると、必要のない恐怖が生まれます。同じように、けがのあとにレンズが見つからず症状が続くなら、ただなくしただけだと片づけてはいけません。

レンズの種類、衝撃があったかどうか、いつなくなったか、そのあとの痛みや見え方の変化を書き留めておきましょう。その記録は診察で役に立ちます。破れたレンズの一部しか出てこなかったときも、爪やピンセットで残りを探さないでください。

乾いたレンズがなぜ外れにくいのかは、コンタクトレンズはなぜ午後になると乾き始めるのかで取り上げました。

参考資料

この記事は、まれな外傷の症例報告にもとづく一般的な情報です。痛み、充血、まぶしさ、見え方の変化があるときは、自分でレンズを取り出そうとせず、受診してください。